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LRNの最新調査で倫理的企業文化・規律運用・リスク管理におけるギャップが明らかに

 

【ニューヨーク発 — 2025年5月8日 】 倫理・コンプライアンス(E&C)領域のリーディングカンパニーであるLRN Corporationは本日、企業のコンプライアンスプログラムの現状を包括的に捉えた調査レポート「2025年版 倫理・コンプライアンスプログラム成熟度に関するグローバル調査」を発表しました。 

グローバルの規制環境がますます複雑化する中、本調査は、企業のE&Cプログラムの成熟度にはいまだ大きなばらつきが見られ、長期的な成功に不可欠な要素たとえば企業文化の評価、管理職の説明責任、規律運用の一貫性において重大な課題が存在することが浮き彫りにになりました 


LRNCEOであるケビン・マイケルKevin Michielsen)は次のように述べています。 

「企業への社会的要求と期待の向上、複雑化する規制環境、そして急速に進化するリスクに直面する中で、E&Cプログラムの影響力と成熟度は、差別化要因となりつつあります。今回の調査は一定の進展が見られる一方で、特に中間管理職層において、倫理的行動を日々の意思決定に確実に組み込み、さらに強化する必要があるという重要なメッセージも示しています。」 

 本レポートは、LRN独自の「プログラム成熟度アセスメント(PMA)」を用いたグローバルなベンチマーク(比較となる基準値)および調査データに基づき、E&Cプログラムの成熟度を6つの主要な観点企業文化、ポリシー・規程類の整備、規律の運用とインセンティブ、リスク評価、研修と社内コミュニケーション、リソースと取締役会の関与から評価しています。 
 

本調査では、多くの企業が行動規範の見直しや取締役会レベルでの監督強化を進めている一方で、中間管理職の関与、企業文化の醸成、規律運用、リスク評価といった分野において、依然として深刻な遅れのあることが明らかになりました。 


 主な調査結果: 

  1. 文化的整合性は依然として未成熟 
    76%の企業が毎年、倫理または企業文化に関する評価を実施している一方で、人事評価で倫理的行動を評価しているのはわずか31%にとどまります。さらに、「中間管理職層の倫理的な姿勢」がしっかりしていると回答した企業は15%にすぎず、管理職向け研修や責任遂行のための準備も不十分です。20%の企業では管理職向けの研修自体が一切提供されていません。こうした投資不足は、企業の価値観を「実践される理念」ではなく、「建前だけの理念」にしてしまうリスクを孕んでいます。

  2. 行動規範は頻繁に更新されるも、現場への定着には課題
    71%の企業が行動規範を少なくとも3年に1回は見直しており、45%は毎年更新しています(10年前は11%)。しかし、これらの基準を実際の意思決定に組み込全社的に「意味があり、行動可能で、身近で利用しやすいもの」として根付かせるという点では、いまだ多くの企業が苦慮しています。

  3. 研修と効果測定にギャップ  
    研修の理解度を評価している企業はわずか44%、研修後の不正傾向を追跡している企業は37%にとどまります。多くのプログラムが研修の修了率などの形式的な指標に偏っており、成果ベースで効果を証明するには不十分な状況です。


  4. 調査体制は依然として手動かつ断片的  
    35%以上の企業が、不正調査の記録管理にスプレッドシートを使用しています。また、部門をまたいだ調査チームを活用している企業は30%未満であり、データの整合性、監査性、一貫性の観点から深刻な懸念が残ります。


  5. リスク評価の深度不足 
    コンプライアンスリスク評価の中に人材管理リスクを含めている企業は19%にとどまり、評判リスクや倫理的不正リスクを包括的に評価している企業も3割未満という結果となりました。


LRNのチーフアドバイザリーオフィサーであるタイ・フランシス(Ty Francis, MBE)は次のように述べています。 

「倫理をリーダーシップ、マネジメント、人材評価のあらゆる側面に組み込んでいる組織は、長期的なレジリエンス(回復力と信頼を築く体制が整っていると言えます。紙の上では適切なポリシーを整備していても、中間管理職への投資や、統合的なシステム、説明責任の仕組みが欠けていれば、原則を実践へとつなげることは難しいでしょう。」

 

2025年版 倫理・コンプライアンスプログラム成熟度に関するグローバル調査」は、さまざまなグローバルのコンプライアンスプロフェッショナルから得られた知見をもとに、レジリエンスがあり、価値観に基づく組織を構築するための明確なロードマップを提示しています。 

企業は、すべての階層において倫理的価値観が一貫して体現・維持されるよう、マネージャーの説明責任をさらに強化する必要があります。また、調査業務には統合ツールを導入し、迅速性・透明性・信頼性を高めるとともに、組織文化、研修の有効性、倫理に基づいた意思決定といった要素を厳密に評価することで、理想と測定結果とのギャップを埋めていく必要があります。 

本レポートの全文はこちらからご覧いただけます。 

 

 LRNの調査レポートについて  

2025年版 倫理・コンプライアンスプログラム成熟度に関するグローバル調査」は、LRNが過去10年にわたって継続して実施してきたグローバル調査シリーズの最新レポートです。世界中の組織から収集されたデータを追跡・分析し、倫理・コンプライアンスの取り組みに関する洞察を提供しています。 

この調査は、他の継続的なLRNリサーチ──「倫理・コンプライアンスプログラム有効性レポート」、「倫理的企業文化ベンチマーク調査」、「行動規範レポート」──とも連携しており、これらを組み合わせることで、コンプライアンスプログラムの未来を形作るベストプラクティス、ベンチマーク、革新的な戦略に関する独自の深い分析結果を提供しています。 

LRN Corporationについて

LRNは、世界をリードする倫理・コンプライアンス分野の専門企業です。毎年3,000万人以上の人々に対し、複雑化する法規制度環境への対応を支援し、倫理的な企業文化の構築と定着を促進する教育・ソリューションを提供しています。  

また、米国の著名な経済誌Inc.が選出する「全米で最も成長している企業5000社(Inc. 5000)」にも名を連ねており、その成長スピードと社会的な影響力は、LRNの倫理的なビジネスの推進における卓越した専門性と革新的なアプローチを体現しています。  

また、実用的なデータ分析、先進的なソフトウェアソリューション、教育プログラム、そして戦略的アドバイザリーを融合させることで、企業が自らの価値観を具体的な行動やリーダーシップへと結びつけ、持続可能で競争力のある優位性の確立を支援しています。  

現在、LRNは世界中の2,700社を超える有力企業・組織の信頼される長期的なパートナーとして活動しています。 

倫理・コンプライアンスプログラムの強化をお考えですか?

LRNソリューションのパーソナライズされたデモをご提供できることを楽しみにしています。私たちは25年以上にわたり、信頼される倫理・コンプライアンスのパートナーとして活動してきました。毎年3,000万人以上の学習者にトレーニングを提供し、世界中の倫理・コンプライアンスプログラムを最適化することで、貴社の業務効率を向上させ、従業員のエンゲージメントを高め、規制遵守をサポートします。